8月下旬野菜作付状況

野菜生産現場

各地で大雨の被害甚大、ラニーニャ現象が秋まで続くと気象庁発表

東北・北海道は7月から弱日照多雨が続き、作物の生育に大きな影響が出ています。特に根菜類は土壌水分が多く気温が高かったため根部の肥大が悪く葉が徒長し、病気の発生が多い状況です。東海以西も雨が多く夏野菜(果菜類)に影響が出ています。関東・甲信地区は適度な雨があり、気温も平年並みで葉菜類野菜は順調に定植、大根・人参は順調に播種されています。

ダイコン

秋大根の産地(北海道・東北・北陸)は雨が多かったため、生育遅延や病気が多発し、出荷量は平年より大幅に少なくなっております。7月以降の播種も少なく、9月出荷量が少ないことが懸念されます。関東以西の平担地は8月播種を多くする傾向にありますが、高冷地の減少分を補うことは出来ていない状況です。11月以降に収穫されます冬大根は数年続いた安値により作付意欲がかなり減少しております。

ニンジン

北海道・青森は弱日照多雨で生育が遅れていましたが作付面積が多かったため出荷量は多いです。しかし、品質は悪いことが懸念されます。水はけの悪い圃場では腐敗が多くなり圃場廃棄も発生してきております。関東以西は雨が多いため播種が遅れていますが、発芽は順調です。

キャベツ

群馬・長野はやや雨が多いですが、品質と収量は良好です。供給過剰状態が続いており、出荷調整が始まっております。関東産地では適度な雨で順調に定植出来ており、10月中旬頃から出荷される見込みです。契約栽培が多く作付面積は昨年度並みと思われます。

白菜

夏秋白菜の作付面積は減少していますが、外食需要の低迷で需要量が少なく青果価格が以前低迷しています。契約量も少なく今後も作付面積は減少すると思われます。

レタス

群馬・長野は品質良く順調に生育し、出荷されています。供給過剰で出荷調整に入っています。関東の秋レタスは安値続きが原因で作付面積はやや減少する見込みです。

ブロッコリー

北海道は雨が多く病気の発生が見られます。低地では根腐れを起こしており生育遅延している圃場が多い状況です。雨が多いため収穫作業が遅れています。関東以西は作付面積は大きく増加しました昨年度よりはやや減少する見込みです。

ネギ

夏秋ネギの産地(青森・秋田・新潟)は雨が多く生育が悪い状況です。Lサイズ以上の太モノが少なく、軟腐病など病気が多いため出荷量は昨年度より大幅に少なくなっています。根腐れが多いため今後の出荷量増加も期待できません。関東は降雨後の生育が回復しており今後の生育は順調に進むと考えられます。

ゴボウ

青森・北海道は雨の影響を強く受けており、湿害による根腐れや生育遅延、葉の病気の発生が見られ収量は少なくなります。

ジャガイモ

北海道の収穫期に入っています。早生系は順調に生育し、多収です。しかし、晩生のメークインは6月までの低温乾燥と7月以降の低日照多雨により生育が悪い状況です。

タマネギ

北見地区は一部雹害の被害が出ましたが、全体としては玉肥大良く豊作傾向です。

今後に向けて

台風シーズンに入ります。今後の消毒管理など遅れずに行い、安定生産を目指して頂きたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました