2022年4月下旬野菜作付状況

野菜

ロシアのウクライナ侵略によるエネルギー不足と急激な円安で輸入価格の上昇続く

オミクロンの終息がまだ見えない中、日常生活優先の傾向が強まりなんとなくですが国内の旅行、外食関係の回復が進み始めております。中国のゼロコロナ政策により、生産流通に大きな影響が出ております。農業資材も不足し、価格の上昇を招いております。安値が続いていました野菜は栽培面積の減少と冬の低温乾燥の影響で出荷量が少なくなったことで価格が回復してきております。一方、外国人の入国が少ないので必要労力の確保が難しい状況で今後も栽培面積の減少は続くと思われます。

ダイコン

九州、関東の出荷中ですが、面積減少と低温乾燥の影響で出荷量が少ない状況です。関東の内陸部での3月播種では降雪と低温により欠株や不揃いの圃場や抽台が散見されます。東北、道南も天候不順で作付面積が少ない状況です。北海道の夏ダイコンは高温障害を避けるため8月収穫は減少しています。各地とも資材、運賃、人件費の上昇で生産作付は減少します。

ニンジン

冬ニンジンの残量が多く、徳島の春ニンジンの価格は低迷しています。九州、関東の11〜12月播種のトンネルニンジンは1〜3月の低温乾燥の影響を受け肥大不足と抽台が多くなっていますので5月中旬まで出荷量は少ないと予想されます。関東、東北、道南の播種も少なく8月上旬まで平年より少ない可能性が高いです。

キャベツ

鹿児島、愛知の冬キャベツは収穫の終盤になってきております。冬の低温乾燥の影響でCa欠による縁腐れ・芯腐れが多発しております。春きゃべつも抽台が多く出荷量が少ないです。茨城の初夏どりは順調に生育しており5月中旬から出荷が始まります。嬬恋など高冷地の作付は例年並みの見込みです。

白菜

春白菜は面積減少し、低温乾燥で抽台、芯腐れが散見されます。安値続きでキャベツ、ブロッコリーに切り替える生産者が多い状況です。夏秋作型も面積が減少すると予想されます。

レタス

茨城の出荷最盛期で順調な出荷となっておりますが面積が減少しており青果価格は堅調に推移しております。群馬、長野はブロッコリーを増やすため昨年よりやや減少する見込みです。

ブロッコリー

関東以西は収穫の終盤ですが、作付を増やしたため安値となっております。高冷地は労働力不足で作付面積は減少する見込みです。

ネギ

冬ネギは坊主が発生し圃場廃棄が進んでおります。春ネギも作付を増やしたため青果価格は安値傾向です。全国的に作付は増加しております。

ゴボウ

青森の春どりの出荷量は多い状況です。ただ、悪天候により農作業が遅れや価格低迷により昨年度よりは面積が減少すると予想されます。九州はさつまいもに基ぐされ病が発生したため例年並みの見込みです。

ジャガイモ

価格が良かったため九州産の出荷が早まっております。関東、東海は3月の寒波で生育は遅れています。種芋不足が心配されましたが一部の品種以外は無事供給され、作付面積は増加しております。

今後に向けて

急激な円安で輸入農産物価格が上昇し、国内需要が高まっております。今こそ日本の生産者が持続できる生産価格を消費者に理解させることが必要と思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました