2021年5月日本野菜作付動向

野菜

梅雨入りが大幅前進

コロナによる緊急事態宣言地域の拡大に伴い、旅行や外食関係の需要が大幅に減少しています。先行が不透明の中、生産者の栽培意欲も大きく低下しているように感じます。関東以北の梅雨入りはまだですが、東海地方までは平年より20日ほど早いです。梅雨明けは例年通りとの予想も出ており、低日照多湿の期間が長くなる可能性が高いです。この影響でジャガイモ、人参のような根モノ野菜で腐敗が多くなり品質低下が懸念されます。北海道、青森の周辺の海水温が低い状況なので、風が吹くと気温が低下し、ヤマセが強まると野菜の生育が遅延すると思われます。

大根の作付概況

関東以西の出荷は終わりに近く量が少ないです。北海道、青森は5月の気温が低く、多雨なので抽苔のリスクが高いので種まきを遅らせているようです。夏秋大根の作付面積は減少することが見込まれます。

人参の作付概況

徳島が終盤、九州が最盛期そして関東が前進していますので、供給量は多くなっています。梅雨入りが早まったことにより収穫を早めており、6月下旬以降の人参は少なくなる見込みです。西日本の品質低下により北海道、青森への産地切り替えが早まると思われます。北海道は順調に播種されており、面積は昨年並みのようです。

キャベツの作付概況

関東、東海は春キャベツの終盤で、茨城も出荷されており今後も順調に出荷されると思われます。長野、群馬の高冷地も順調に定植されてますが、加工業務用の契約が減少しており面積は減少する見込みです。

白菜の作付概況

外食の加工契約が減少し、面積も減少しています。ただ、青果価格は以前として安く価格の低迷は続くようです。

レタスの作付概況

茨城は終盤で量は少ない状況です。群馬、長野の高冷地では定植時の乾燥や晩霜で生育が遅れてましたが、回復し、出荷量も増加しております。ただ、外食契約減少により青果価格の低迷が続いております。

ブロッコリーの作付概況

昨年の夏秋どりの青果価格が高かったこともあり、面積は増加しております。

ネギの作付概況

茨城県のトンネル栽培による出荷が始まっています。全国的に作付面積が増加しており、8月以降の出荷量は増えると予想されます。

ゴボウの作付概況

西日本の2〜3月播種のトンネル栽培は順調に生育しております。よって7〜8月は順調に出荷される見込みです。青森は種子が不足し、作付出来ないですが、今後種子が供給されますと面積は増加する見込みです。

ジャガイモの作付概況

種芋の不足もあり面積は少ない状況です。北海道の青果物の残りがなかっため九州産を前進させて出荷しています。現状、関東、東海の収穫期に入ってますが、多湿による腐敗が増えており出荷量は少ない状況です。ジャガイモは8月までは青果価格は高く推移すると思われます。

今後に向けて

今年は梅雨期間が長いこともあり、病気の発生が多くなります。生産者の方は病害虫の予防管理を徹底して頂きたく思います。青果販売も厳しい状況ですのでむやみな作付拡大をせず、高品質の多収栽培を心がけた方が良いと思われます。

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