全国野菜作付動向(2021年7月下旬)

野菜

2021年7月下旬野菜栽培動向

関東、東北も梅雨明けし、今後、北海道と青森では水不足が今後の野菜生産に大きく関与すると予想されます。オリンピックが開催されますが、無観客で実施され消費の低迷は続いていきます。更に梅雨明け後の高温により煮物野菜の消費は減少します。

大根の作付概況

北海道の4〜5月上旬播種、5月下旬播種で保温資材の有無により抽苔した畑が出ています。5月中旬播種以降に播種した作型では水不足により肥大不足や形状乱れが発生しております。7月播種は乾燥が厳しく発芽不揃いも見られます。青森は北海道より順調に生育しており品質も平年並みです。9月収穫の大根はこの乾燥が続くと不作になる懸念があります。

人参の作付概況

青森・北海道南部は収穫物の残量は少ない状況です。高温により腐敗も増加しております。収穫が開始始めた道央、道東は水不足で肥大遅れと形状が悪い圃場が散見されます。面積が大きい道東は特に雨が少なく乾燥によるソウカ病が発生しております。7月下旬までは雨が期待できないので肥大不足が懸念されます。このまま乾燥が続くと人参の不作が予想されます。

キャベツの作付概況

契約栽培の減少で北海道の面積は減少しております。東北、群馬、長野は順調に生育しており収量、品質は良好です。ただ、梅雨明けの高温と乾燥により8月下旬以降に出荷するものにはCa欠による腐敗が心配されます。

白菜の作付概況

外食需要の減少で青果価格が低迷し、栽培面積は減少しています。梅雨明けで高温乾燥によるCa欠が多発する懸念があります。

レタスの作付概況

外食需要の減少で大きく供給過剰が続いています。家庭内でのサラダ需要は増加しますが、高温により品質低下が発生すると予想されます。

ブロッコリーの作付概況

高冷地の面積は増加しております。夏秋の産地は収穫適期が短く、保冷が必要なため設備が整った産地しか安定出荷は難しいと考えます。そのため、設備が整っておらず、面積を増加した産地では人手の確保ができず、全体の出荷量は平年並みと見込まれます。

ネギの作付概況

全国的に面積は増加しましたが、高温乾燥により生育が停止し、出荷量は平年並みになると予想されます。今後、軟腐病などの病害に注意が必要です。

ゴボウの作付概況

青森は面積が増加。発芽もよく生育良好。北海道は昨年並みの面積で一部発芽不良も見られますが根が土中に入っており影響は少ないと思われます。秋以降の収穫は平年より多くなると予想されます。

ジャガイモの作付概況

九州産は高価格のため出荷が前進し貯蔵量は少ない状況です。東海、関東は梅雨入りが早まり水分が多く腐敗が多発し青果価格も低下してきております。十勝は品質は良いが以外の産地では水不足により肥大が悪く生育が遅れます。

今後に向けて

急激な気温上昇により生産者の方は熱中症対策を万全にして頂く必要があります。灌水管理が重要となりますが、それ以外にも台風による風や豪雨対策も忘れずに行動し、しっかり生産頂きたく思います。

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