全国野菜作付け動向(2021年6月下旬)

野菜

関東・東北地方も梅雨入りしました

緊急事態宣言は6月20日で解除されましたが、以前蔓延防止等重点措置が実施されますので外食や観光関係の景気回復は遅れます。関東以北も梅雨入りし弱日照多湿による品質低下が予想されます。

大根の作付概況

関東は加工用が残っていますが残量は少なく、高冷地の青森・北海道の出荷期に入ってきております。青森・北海道は昨年の青果価格低迷の影響を受け、面積が400haほど減少している模様。5〜6月中旬までの天候は低日照で推移したため初期生育は遅れていましたが、出荷期は予定通りとなる見込みです。

人参の作付概況

関東の出荷最盛期と作付面積が全国的に増加したこともあり青果価格はやや安値となっています。生育が進み梅雨の腐敗を避けるために出荷自体が前進しています。青森、北海道の面積は昨年並みのようです。発芽も良好で初期生育は順調です。

キャベツの作付概況

関東は出荷最盛期で梅雨の影響も少なく品質は良好。長野、群馬の夏秋作型生育も順調に推移しています。6月に入り多雨となっていますので定植や薬剤防除作業に影響が出てくるかもしれません。

白菜の作付概況

外食対応の加工業務用の契約栽培が減少し、面積が減少。加工業者は市場手当を多くしたため青果価格は上昇しております。長野県の7月中旬収穫までは雨の影響が少ないので品質は良好です。逆に梅雨の影響を受ける8月収穫では品質低下が予想されております。

レタスの作付概況

群馬は雨が多く品質が悪い状況です。長野県は雨が想定より少なく品質低下は群馬ほどではない状況です。外食需要の低迷で作付面積は減少しております。今後は梅雨の影響を受け、品質低下が見込まれます。秋冬レタスも茨城県を中心に作付減少しており、今後台風や集中豪雨の影響があれば品薄になる可能性があります。

ブロッコリーの作付概況

面積の増加により青果価格は安くなっています。ただ、高冷地は人手不足により面積は減少しております。保冷出荷設備のある産地中心の出荷が予想されますので夏秋青果価格は良いと考えます。

ネギの作付概況

関東のトンネルネギの出荷最盛期で今後も路地栽培出荷が増えてきますのでより出荷量は増えると思われます。全国的にもネギの面積は増加しておりますので秋冬以降のネギは供給過剰になる可能性があります。

ゴボウの作付概況

青果価格が高いため早めの出荷となっています。細物が多く、反収が1.5t以下と低い結果です。雨が多くゴボウは貯蔵に向かないため品不足は続きます。青森は面積増加しているため秋冬、春掘りは出荷量は回復すると思われます。

ジャガイモの作付概況

高価格が続いたため需要が減少しております。青果価格の高騰により作付面積は増加しています。産地では十勝、北見の4月まきで発芽不良や生育遅れが発生してきていますので8月出荷量は少なくなる可能性があります。

今後に向けて

集中豪雨もしくは雨不足が地域により発生しており、排水対策や灌水設備が安定生産の決め手となります。規模拡大せず、能力に合わせた作付計画を行わないと安定生産が難しくなります。今後、梅雨明け後の高温により軟腐病などの病害が予想されますので薬剤防除も徹底して頂きたく思います。

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