2021年9月下旬野菜生産動向

2021年9月下旬野菜栽培動向

ワクチン接種が進み、10月から緊急事態宣言解除により外食需要の拡大が期待されてます。台風14号は大きな被害もなく列島から離れていきましたが、今後発生する可能性がありますので農業生産現場では油断できない状況です。

大根の作付概況

北海道・青森の8月播種は少なく、9月末に出荷を終える産地が出てきております。関東以西の高冷地も長雨で面積が減少してきております。8月播種の作型は生育遅れや発芽のばらつきが多いですが、関東以西は9月に順調に播種されたため11月中旬以降は数量多く出荷される見込みです。

人参の作付概況

北海道の6月播種⇨10月収穫は高温乾燥で発芽不良になり50ha以上が廃耕となっているようです。よって10月の出荷は少なくなる見込みです。同じ高冷地の青森・岩手も作付面積は少ない状況です。東海・九州は長雨で播種が遅れ12月からの出荷となりますので11月出荷が平年より少なくなる可能性があります。

キャベツの作付概況

群馬・長野は長雨の影響で玉肥大が遅れ、品質が低下してきております。愛知・九州も長雨で定植が遅れており、土壌水分が多い状態で耕耘、定植している場面が多いので浅根となり、11月に乾燥すると生理障害が多発する可能性が高いです。

白菜の作付概況

長野県は雹害と長雨の影響により収量が減少しております。関東以西は昨年度の青果安の影響により作付面積が減少しております。10月以降の外食需要が拡大した場合、青果価格が高騰する可能性があります。

レタスの作付概況

面積減少と長野県の雹害や長雨の影響で品質が低下しております。10月以降の外食需要が拡大した場合、青果価格が高騰する可能性があります。

ブロッコリーの作付概況

関東以西の作付面積が増加しております。特に九州では人参の巻き直しを諦めてブロッコリーに代える生産者も増えております。

ネギの作付概況

関東以西の夏ねぎは高温多湿で軟腐病が多発しております。東北・北陸は稲の収穫が忙しく出荷量が少なくなった模様です。ねぎは全国的に作付面積が増加しているため、秋冬出荷は潤沢となります。

ゴボウの作付概況

青森の6月播種は乾燥と長雨で生育が遅れております。ただ、作付面積が増加してるため出荷量は昨年より多い見込みです。

ジャガイモの作付概況

北海道は収穫最盛期ですが、小玉で例年の80%の出荷量です。高温の影響で萌芽が早くなっており、貯蔵性に問題が起こる可能性があります。よって種芋も少なくなります。

玉葱の作付概況

北海道は雨が降ってやや回復したもののM玉が多く収量は平年の80%前後です。L大、2Lサイズは少ない状況です。

今後に向けて

外食需要が回復した時に安定出荷できるように生産体制を整えて頂きたく思います。特に無理矢理定植して根が張れておらず、生理障害が多発する可能性がありますので微量要素の補充が重要となります。

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